署名の詳細

現在、生殖補助医療に関する国の法整備(特定生殖補助医療法案)の議論が行われています。この法案には、第三者からの提供精子を使った生殖補助医療を受けられるのは婚姻している夫婦のみに限るという文言が入る方向で調整がされています。

【現状】
法整備がされていない今、第三者からの提供精子を使った生殖補助医療を受けられる対象は法律では定められていません。
日本産科婦人科学会は、同治療の対象を婚姻夫婦に限定していますが、一部の医療機関ではシングルの方や同性カップルにも治療を提供してくださっています。
そのためシングルの方や同性カップルであっても、子どもを望む場合には限られた医療機関で治療を受けることができました。

実際に妊娠出産した子どものいるかぞくを持つ同性カップルはすでに日本にも多く生活をしています。

しかし今のまま法整備が進めば、医療機関での治療を受けることができなくなります。

【懸念点】


 子どもがいる未来が閉ざされる可能性

子どもを産み育てたいと考えている同性カップルやシングルの方は、このままでは子どもを産み育てることを諦めなくてはならなくなります。


②子どもにとってネガティブな環境

今回の法律によって、すでに生まれている子どもたちが、自身の出自をネガティブに捉えてしまう可能性があります。
強く望まれて、愛されて育ってる子どもが、国が禁止している方法で生まれてきたと自分を捉えてしまうのは悲しいことです。


 医療機関以外での妊活の危険性

法律ができても、子どもを産み育てたいと思う方は諦めきれないでしょう。
その結果、個人間で精子提供を受けようとして、感染症のリスクが上がったり、安全ではない方法を探らなくてはいけなかったり、高額な金銭を要求されたりと深刻な問題が広がるのではないかととても心配です。
その中で子どもの出自を知る権利が保障されなくなることも予想されます。
法律で精子提供のあり方を制限しても、個人が子どもを望むことは止められないため、かえって、産む人や子どもにとって安全ではない、福祉が守られない状況が生まれてしまいます。

事実婚、シングル女性などでも同様の懸念が生まれることが考えられます。


【要望項目】 特定生殖補助医療法案において精子提供の範囲を婚姻夫婦のみとせず、出産をのぞむ全ての人に拡大していただくよう修正を要望します。

適切なカウンセリングと安全な生殖補助医療を受け、何よりも子どもたちにとって望ましい家族形成を堂々と行っていくことを望んでいます。

子どもを産みたい人、育てている人たちを無視し続ける社会は、生まれてきた子どもたちを、無視し続けていく社会になってしまいます。どうか多くの声に耳を傾けてください。


こどまっぷとは・・
子育てをしている、あるいはこれから子どもを育てたいと願うLGBTQや家族の当事者団体です。
様々な都市で当事者に向けて、子どもを育てたい当事者向けの初心者講座などや、相談会など情報共有も含めて、それぞれ繋がりをもてるよう活動しています。 
多様なかぞくたちが集まるピクニックや、子どもを育てたいLGBTQたちの出会いの場を提供したり、理解のある医療機関や専門家との橋渡しなどもしています。
その他、同じような海外の団体とつながったり、自治体に向けてファミリーシップ制度や、企業のファミリーサポートなどの導入に携わったりしてます。
最近では個々の「違い」をテーマにした絵本も出版しました。